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ワインのショウズ宮長(1987年創業)のオーナーとしてフランスを中心に産地を訪問し大小を問わず生産者と交流し親密な関係を築いているつもりです。日本からの提案と彼らからの情報を得、相互の理解を深めそれを顧客の方々に還元できればと思っております。

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2010年6月 4日 (金)

豪・ヴィクトリア中央で”自然との調和”のワインを造り続けるミッチェルトン―産地を訪ねて


●ワラビーが湖沼から森を抜けブドウ畑に差し掛かったところでとまった。ジョンが操る車で池やゴウルバン川が蛇行する沼地と森を携えた丘陵に広がる150haのミッチェルトンの葡萄畑を廻る。
昼夜の気温差が大きく、日照量にも恵まれた粘土質の土壌。コルドン仕立ての垣根は整然とどこまでも続きその垣根と垣根の間隔は小型車が通れるぐらい広い。下草も生え橙色になりかけたブドウの葉とは対照的に青々としている。
●こうした自然への介入を抑え調和を目指すポリシーで有機栽培を実践しブドウの品質を向上させてきたミッチェルトン社。この栽培の責任者でありワイナリーのマネジャーでもあるのがジョン・バースフォード氏なのだ。環境への尊敬と調和が信条でこの土地に魅入っている。
●4月26日早朝7時ブリスベンを離陸しメルボルンへ。さらに150km車を走らせゴウルバン・ヴァレーに。途中ほとんど人も町も見かけないない丘陵地に忽然とMITCHELTONの門が。11時30分着。門からブドウ畑のはるか向こうにそびえる建物がシンボルロゴにもなっているワイナリーだ。
 ジョンと呼んでください 。気さくにあいさつを交わすと彼は私たちを研究室に案内する。白一色の部屋で収穫されたブドウを区画ごとに分析している。次にプレス機,発酵桶、ろ過機、熟成樽の説明を受ける。その都度発酵桶や熟成樽からワインを試飲させてくれる。
まだ白く濁ってるリースリングやマルサンヌ。青い香りと果実味たっぷりのシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなど。フランスのコート・デュ・ローヌ由来の品種が多い。

●ヴィクトリア州郊外レストラン」No1に選ばれたワイナリー内のレストランで頂いたサーモンと小海老のマリネとBlackwood Parkリースリング2009はさすがに合う。ねっとりした新鮮なうちにスモークされたサーモンと発刺とした酸、オレンジの皮のような苦味が添えられた生野菜とも相乗する。
牛肉のメダイヨングリルにエシャロットとワイルドマッシュルームのカラメリゼとHeathcoteシラーズ2005も自然を感じる組み合わせだ。こんがりとチャコールで焼かれた肉の中身は柔らかくジューシーで濃いピンク色。シルキーなタンニンとブランデー漬けチェリーの果実味、スパイシー感がカラメリゼとも渾然一体となり此の地の自然からの恵みそのものなのだ。


ミッチェルトンでの自然との調和のワイン造りに共鳴したケン&マリーロウが織りなす料理はそれ自体素晴らしいがここのワインと合わせることでそれは完結するようだ。5スターのホテルを豪州、UKと渡り歩きここにたどり着いたとのこと。私たちが見せたショウズ宮長の川井シェフの料理アルバムをふたりは覗きこんでみてくれた。

●さらに白と赤の試飲をプリントシラーズギャラリーでさせていただく。
Printシラーズとはこのワイナリーが誇る頂点の赤ワインでミッチェルトンの最も古い複数の区画の小ロットのブドウをフレンチオークの新樽で18カ月熟成される。出来が最上でない年は造らない。ラベルの絵は毎回アーチストが変わる。そのギャラリーを兼ねた部屋がここである。
白はBlack Wood Parkリースリング2009と2002。ほかにシャルドネ2008とAir Strip2009。これはマルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエを使用したフランスのシャトー・ヌフ・デュ・パプ ブランを想わせるタイプで様々なフルーツの酸が複雑に絡み上品な仕上がり。
赤はHeathcoteシラーズ2005、ミッチェルトン・シラーズ2008、ヴィクトリア・カベルネソービニョン2007そしてPrintシラーズ1999.。やはりPrintシラーズはすごかった。果実味の複雑さ木樽からのモカやプディングのアロマ。シルキーなタンニン。上品なアフター。

●別れ際ジョンは大地に根差した栽培者としての自信に満ちた笑顔で私たちを見送ってくれた。すでに6時を過ぎ茜色の混じった空がやさしくブドウ畑を包んでいた。心地いい余韻が長く続きミッチェルトンに別れを告げた。

(ショウズ・ソムリエ石黒 )

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